おもいっきり探偵団 覇悪怒組をたずねて
台本紹介
第50章
さらば、魔天郎(仮題)
猛スピードで流れていく純子とヒロシ達。
そして重夫とパチンコ組。(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
純子とヒロシ達が流されて来る。
突然空中に静止するヒロシ達。それからすーと着地する。
ヒロシ「助かった・・・・・・・」
ススム「俺もう死ぬかと思った」
サトル「安心するのはまだ早いぜ、魔天郎の奴、俺たちをここに閉じ込めるつもりかもしれないぜ」
ヒロシ「脱出口があるかもしれない。みんなで捜すんだ」
一同、周囲を見回す。(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
だが、四方は光る壁。
ヤスコ「何だかエレベーターの中みたいね」
タケオ「とにかく出口を捜そうよ」
一同、光る壁をたたいて回る。
?!・・・・・・・・・・・と足元を見つめる純子。
床に魔天郎マークが刻みつけられている。
純子「魔天郎マークよ」
一同「?!・・・・・・・・・・(とみつめる)」
マークの魔天郎の両眼がキラキラ光っている。
ヒロシ「これだな」
ヒロシ、二本指で両眼を押す。
と、光る壁の一部がパカッと開く。
あっと仰天してみつめる一同。
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2m位の四角い穴。
穴の入り口にスケートボードの大きな物が用意されている。
ススム「ヒロシ!みろよ、でっけえスケボーがあるぜ」
ヒロシ「これに乗れってことだな」
タケオ「だけどさ、千刃の谷底にまっさか様ってこともあるぜ」
ヒロシ「・・・・・・・・・・どうするヤスコ」
ヤスコ「やるっきゃないわ・・・・・・・・・」
ヒロシ「よし決めた。純子先生、いいですね」
純子「いいわ、落合先生と結婚できるかどうか運ぶ天賊よ!」
サトル「女は強い!」
純子とヤスコが真っ先に乗ってスケボーの先端にしがみつく。
サトル、ススム、タケオが乗りスケボー上の把手を両手で握る。
ヒロシ「みんな乗ったな。?!・・・・・・何だよ、俺がつかまる所がないじゃないか」
サトル「ヒロシはヤスコの足につかまれよ」
ヒロシ「バ、バカ云え・・・・・・・・・いいよ、俺はスケボーの名人なんだ。立ったままで行こうじゃん、ススム、ロープをほどけ!」
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ススム、ロープをほどく。
途端に猛スピードですべりだす、スケボー。
ウワーと悲鳴をあげる一同。
猛スピードで地底を走るスケボー。
立ったまま必死にバランスをとるヒロシ。
スケボーが猛スピードで走ってくる・
ヒロシ、タケオの足にしがみついている・
スケボーがひっくり返える。
純子ヒロシたち吹っ飛ぶと大地にたたきつけられる・
激痛に顔をしかめる一同。
フフフハハ・・・・・・・・・と魔天郎の哄笑がこだまする。
ヒロシ達、はっとして起き上る。
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ヒロシ「魔天郎!何所だ、姿を現せ!」
と、彼方の暗黒空間にボワーと光がみえる ?!・・・・・・・・・・・と目を凝らす一同。
魔天郎がカンテラを掲げてじーとヒロシ達をみつめている。
ヤスコ「ヒロシ君、魔天郎よ!
ヒロシ「畜生!行くぞみんな!魔天郎の仮面を剥がして正体を確かめるんだ!」
純子とヒロシ達、走り出す。
マントをひるがえして疾走する魔天郎。
必死の形相追走するヒロシたち。
魔天郎の姿がフワッと消える・
あっと立ち停るヒロシたち。
魔天郎の声「ハード組の諸君!ここから先は一歩も通さんぞ!!」
と、突然、炎が宙を飛んでくる。
火矢だ、火矢がヒロシ達を襲う。
ヒロシ「火矢だ!みんな洞窟に張りつけ!」
火矢がヒロシ達をかすめ、足元に突き刺さる。
と、魔天郎の部下数名が恐竜刀を振りかざして走ってくる・
ヒロシたち。火矢を引き抜くと応戦する。
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ヒロシ「ヤスコ!純子先生を守れ!」
ヤスコ「分かったわ!」
ヤスコも火矢を振り回して防戦する。
だが恐竜刀に切り立てられヒロシたちは一角に包囲される。
ススム「ヒロシ、もうだめだ!」
ヒロシ「バカ!弱音を吐くな!」
サトル「強気でいってもこれまでだ。みんな、あの世で会おうぜ!」
ヒロシ「バカ!あの世なんてあるか!」
ヤスコ「ヒロシ君!」
ヒロシ「ヤスコ!お前と純子先生だけは、逃がしてやるぜ!大人になって誰かと結婚しても俺のこと忘れるなよ!」
ヒロシ、討ってでる、が、たちまち切り立てられて後退する。
恐竜刀を振り上げてキラーとヒロシ達に迫る部下たち。
あっと目をつぶる純子とタケオ。
ううっと頭を押さえて倒れる部下たち。
パチンコの弾が次々に命中する。
ヤスコ「パチンコ組よ!ヒロシ君!!」
重夫たち、パチンコ組が強力パチンコを構えて部下たちを狙い打ちにしている。
ヒロシ「みんな、今だ!」
ヒロシたち、ショルダーアタック。
次々吹っ飛ぶ部下たち。
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重夫「ヒロシ!無事か?!」
ヒロシ「内田!どうしてここに?」
重夫「お前の借りを返そうと思ってさ、後を尾けて来たんだ!!」
ヒロシ「内田、礼を云うぜ!」
重夫「ヒロシ!魔天郎との勝負があるんだろう、ここは俺たちに任せろ!!」
ヒロシ「頼むぜ!」
ヒロシたち走ってゆく。
部下の一人が起き上がる。
重夫、グイとネックハンギンング。
重夫「コイツ、悪い顔をしてやがるな」
重夫の顔の方が余っぽど怖い、ん?!・・・・・・・・・・可愛いい。
純子とヒロシたちが走って来る。
と、笛や太鼓の音楽が聞こえる。
ヒロシたち、立ち停まり、?!・・・・・・・・・・・・・と岩の下をみつめる。
七人五人のピエロが扉の前で笛や太鼓で音楽会を開いている。
ヒロシ「魔天郎のピエロ舞台だ、あいつらあんな格好しているけどさ、凄え遣い手なんだ、俺、前に一度あいつらにひでえ目に会っているんだ」
ヤスコ「ヒロシ君が木の箱に閉じ込められた時ね」
*フラッシュバック・イメージ
ピエロ達に木の箱に閉じ込められるヒロシ。
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ヒロシ「あの時のお返しをしてやらないと気がすまねえよ」
タケオ「ヒロシ、俺にいい考えがある。俺がピエロ部隊をあの崖の上におびき寄せる、ヒロシたちは岩陰に隠れていて」
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ヒロシ「分かった!」
タケオを残して脇道に姿を消すヒロシたち。
タケオ、指笛で鳥の鳴き真似。
?!・・・・・・・・・・・・・・・と宙を仰ぐ七人のピエロ。
うぐいすの鳴き声(谷渡り)
顔を見合わせて揃って崖の上に行くとキョロキョロをあたりを見回す
純子とヒロシたちが岩陰からそーと忍びでるとピエロ達の背をトンと突く。
ウワーと悲鳴をあげて崖下に転落するピエロ達。
タケオが走って来る。
タケオ「やったね、凄いじゃんよ」
ヤスコ「でも、死んだんじゃ」
サトル「斗いは何時でも残酷なものさ」
下を覗いてみる。
数m下でピエロ達がピクピク躰を動かしている。
ヒロシ「この高さなら大丈夫だ」
ヒロシたち扉をみる。
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ヤスコ「扉だわ・・・・・・魔天郎はここにいるのかしら?」
ヒロシ「いいな、みんな、勝負だぞ!」
一同「おう!!・・・・・・」
ヒロシ、扉を開ける。
ああっと仰天する一同。
厖大な量の宝石類がまばゆいばかりの光を放っている。
純子とヒロシたちが入ってくる・
箱からあふれ床を埋め尽くすダイヤモンドと金銀財宝。
眼をまん丸にしてみつめるヒロシたち。
ススム「すんげえ・・・・・」
ヒロシ「魔天郎の奴、盗んだ宝石をこんな所に隠していたんだな」
サトル「眼がつぶれそうだヒロシ、どうする」
ヒロシ「勝手につぶれろ!」
純子「これだけあったらどんなぜい沢もできるわね」
サトル「俺なんてもう勉強なんてやらねえよ。でっけえヨット買ってさ、世界一周をやるのさ」
タケオ『俺は動物園でもやるかな」
ススム「俺なんてさ、どうしていいか分かんねえよ!とにかくこれを持てるだけ持って家に帰ろうぜ、父ちゃんと母ちゃん大喜びだ」
ヤスコ「私はこの大きいの一個でいいわ」
ヒロシ「ヤスコまで何だよ!いい加減にしろ!」
ヤスコ「何怒ってるの、ほんのちょっとつかの間の夢を楽しんだだけじゃないの」
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ヒロシ「何が夢だよ!みんな、俺たちの夢はたった一つ、魔天郎に勝つ事の筈だ!落合先生が魔天郎だったら悲しいけど、それで
俺たちは魔天郎を倒さなければならないんだ・・・・・・・・・・それがどんなに価値があるかと云われたら、俺だって分かんないけどさ」
ヤスコ「ヒロシ君、ごめんなさい!」
サトル「ヒロシ、俺たちが悪かったよ、泥棒の上前をはねる気はなんだけどさ、ちょっくら眼が、くらんだのも事実だしさ」
ヒロシ「こんなもの、魔天郎を倒して盗まれた人に返してやるさ!」
バーンとドアが開く。
ピエロ部隊が手にナイフをきらめかせて飛び込んでくる。
タケオ「ピエロ部隊だ!」
ヒロシたち、宝石類をしっちゃかめっちゃか投げつけて応戦する。
ヤスコは合気道、ヒロシは飛び蹴り。
宝の箱をぶちまけるタケオとサトル。
ススムは忍法ダイヤ投げ、んちゃって!
純子とヒロシたち、飛び出してゆく。
ヒロシたちが飛び出してくる。
と、恐竜刀部隊が走って来る。
ピエロ部隊が飛び出してくる。
ひろしたち、洞窟の奥に走る。
ヒロシたちが走って来る・
前方に天を突くような階段がある。(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
ヒロシたち駆け上る。
恐竜刀部隊とピエロ部隊が追ってくる。
純子の足元が抜け落ちる。
キャーと悲鳴をあげて奈落に転落する純子。
ヒロシ達「純子先生!!」
追手が迫って来る。
泣きながら駆け上るヒロシたち。
ヒロシたちが駆け上ってくる。
朱の扉が眼の前にある。
ヒロシたち、扉を開けると飛び込む。
ヒロシたちが飛び込んでくる。
ヒロシ、鍵をかける。
ヒロシたち「助かった!・・・・・・・・・・」
声 「ようこそ、ハード組の諸君!」
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はっとして振返えるヒロシたち。
魔天郎が椅子に坐ってじーとヒロシ達をみつめている。
ヒロシ「魔天郎!」
魔天郎「君たちなら間違いなくここに到達する。そう信じて待っていたぞ」
ヒロシ「な、何の為に?」
魔天郎「今日はもう遅い、明日の朝じっくり君たちを話そう、フフフハハハ・・・・・」
魔天郎の姿がすーっと消えてゆく。
あっと佇むヒロシたち。
純子が倒れたまま眠っている。
朝の光が純子の顔をつつむ。
うん?!・・・・・・・・・・・・と目を開ける純子。
純子「ここは?!・・・・・・・・・・・ここは落合先生の部屋だわ、どうして私がここに・・・・・・・・」
ドアが開く。
はっとして入口を見る純子。
旅装の落合が立っている。
純子「落合先生・・・・・・」
落合「純子先生・・・・・・・、いやぁ、感激ですな、先生は私の帰りをずーと待っていてくれたんですか」
純子「落合先生!今迄何処に行ってらしたの」
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落合「田舎ですよ、私の生れた田舎にどうしても断り切れない用事がありましてね」
純子「落合先生!私には、せめて私には真実をお話し下さい!」
落合「・・・・・・・・・・・真実を・・・・・・・・・・・・」
落合の顔が急に悲しくなる。
強風に木々がざわざわとゆれている。
落合の真剣な眼。
純子の眼から泪があふれている。
純子「落合先生・・・・・・」
ドンドンとドアを打ち鳴らす音。
落合「純子先生どうぞわかって下さい」
純子、泣いて飛び出してゆく。
落合、窓から外を見る。
純子が両手で顔を覆って泣いている。
落合、合掌して頭を下げる。
落合「純子先生、お許し下さい!」
朝の光の中。
魔天郎とヒロシたちが円卓を囲んで朝食をとっている。
魔天郎「ハード組の諸君、君たちは実に健康だ。昨日あれだけの事があったのに、今は食欲もりもりだ。それでこそ私が見込んだハード組だ」
ヒロシ「(ミルクをぐいっと呑み)魔天郎、食事は終わった。本題に入ろうじゃないか」
魔天郎「よかろう。私の後をついて来給え!」
魔天郎、立ち上がると歩む。
ヒロシ達が後に従う。
魔天郎「ヒロシ、扉を開けてごらん」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
ヒロシ、奥の扉を開ける。
あっと、室内をみつめるヒロシたち。
薄明の中に光の塔の模型がりん然と輝いている。
パッと明りがつく。
ヒロシたち走りこむと光の塔を取り囲む。悠然と入ってくる魔天郎。
ヒロシ「これは?・・・・・・・・」
魔天郎「これは200分の1の模型だがね、これから私が、建立する光の塔だ」
ヤスコ「光の塔?!・・・・・」
魔天郎「そうだ、私が今迄幻の怪盗として宝石や金銀財宝を盗んできたのは全てこの光の塔を創らんが為だ。地下300m、地上一万m、エベレストより高い塔だ!これが完成すれば日本の何処にいてもこの塔をみることができるだろう」
サトル「何の為にこんな厖大なものを」
魔天郎「この光の塔は君たち少年の為のものだ」
タケオ「俺たちの?」
魔天郎「今この世には大人たちの悪党に傷つけられ、ここを病んだ少年少女たちが多勢いる。この光の党はそんな子供たちのここ癒す為に私が建てるのだ」
ススム「どういうこと?」
魔天郎「光の党は全て太陽の光子エネルギーによって作動する。模型を見給え、地下300mは五千人の子供たちを収容し、宿泊所、レストラン、プール、図書館などがある。ただ地上一万mの塔の中はがらんどうで部屋は一つもない。階段もなければエレベーターもないのだ」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
一同「?!・・・・・・・・・」
魔天郎「だが子供たちは光子エネルギーを利用した空中浮遊装置によってこの空間を自由に浮遊できるのだ」
ヤスコ「前に私たちを実験台にしたのはこの為だったのね」
魔天郎「その通り、君たちは実に役に立ってくれたよ。子供たちはこの空間を自由にプカプカ浮遊することにより、昼は光子エネルギーをたっぷりとり、夜は空の星々と交感、傷つけられた心を癒してゆくのだ。心身ともにすこやかになって再び自分たちの世界に戻ってゆくのだ!!子供たちの世界は戦場だ。心身ともに健やかでなければ生きていけないからな!!」
一同「すげえ!素晴らしい」
魔天郎「ハード組の諸君、どうだ。私jの協力者としてこの光の塔作りに参加してくれないか!!」
サトル「俺たちが・・・・・・・・ヒロシ!」
ススム「やろうぜヒロシ!素晴らしいことなんだしさ」
ヤスコ「ヒロシ君、私もすごく素敵だと思うわ」
ヒロシ「俺も凄いことだと思う・・・・・・・・・・できれは参加したい・・・・・・・だけど、違うと思うんだ」
魔天郎「ヒロミ!何が違うんだ!」
ヒロシ「俺にもよく分かんないけど・・・・・・・・だけど、盗んだお金で傷ついた子供たちの為の塔が立てられるのかい・・・・・・・・光の党は傷ついた子供たちが何かに祈った時、その心に見えれば、いいんじゃないのかい・・・・・・・・・・俺はそんな風におもう・・・・・目的の為にならどんな手段をとってもいいと云う考えには、俺はどうしても同意できないんだ・・・・・・・・」
ヤスコ「ヒロシ君」
一同「ヒロシ、俺たちも同じだよ」
魔天郎「・・・・・・・・・光の党は子供たちの心にあらしめよ!素敵な考えだ。・・・・・・・・・・・・・ハード組の諸君、私の負けだ!私は潔よく光の塔建設計画をとりやめよう!」
ヒロシ「魔天郎!」
魔天郎「ハード組の諸君!私は暫く日本を離れて私自身を鍛錬して来るよ!何時の日か再び君たちに挑戦する。そのときまで、さらばだ諸君!」
魔天郎、窓を開けると飛翻する。
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気球に吊り下り空を飛ぶ魔天郎。
ヤスコ「待って!魔天郎!あなたは落合先生ではないの!答えて!」
魔天郎「さらばだ!」
ヤスコ「答えて!!・・・・・・・・・・・・・・」
彼方の空に何も答えずに去る魔天郎。
純子が立っている、彼方に自転車を飛ばしてくるヒロシたちの姿。
純子「ヒロシ君!ここよ!」
ヒロシたち、ぐんぐん走って来る。
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ヒロシ「純子先生?!・・・・・・・・・・・・・・無事だったんですね」
純子「私は無事よ!みんな落合先生が行ってしまったのよ」
一同「落合先生が?!・・・・・・・・・・」
純子「生れ故郷の小さな村の分教場に先生がいなくなって落合先生が呼ばれたの、この手紙を君たちに」
えっと手紙をみる一同。
丘の下を電車が走っていく。
純子「あの列車!落合先生が乗っている筈よ!」
ヒロシたち自転車をスタートする。
落合の声「ヒロシ、ヤスコ、サトル、サトル、ススム、タケオ、先生は急に生れ故郷に帰ることになった。君たちに会わずに去るのは非常に辛いが、先生は君たちには安心しておるんだよ」
落合の声「君たちはこの一年間、怪人魔天郎と斗うことによって、人の喜びと悲しみを知った。心と躰を鍛ましくして、辛い事があっても生きる希望を決して捨てない少年に成長した」
自転車を並べて列車を待つヒロシたち。
落合の声「ハード組の諸君、大きくなると云う事は沢山の悲しみを笑顔で打ち砕いていくことだ。辛い顔などすこしもみせず、眼をキラリと光らせて、顔をまっすぐ立てて歩むことだ。先生は何時の日か、大人に成長した君たちに会うことを楽しみにしているぞ、そんじゃね、さらばだ諸君、バサラ、バサラ」
列車が走ってくる。
一同「落合先生!さようなら・・・・・」
窓際の落合が一瞬よぎる。
ゴオーと列車が遠去る。
一同「ああ! (と叫ぶ)」
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列車の屋根に魔天郎が立って両手をあげて手を振っている。
ヒロシたち「魔天郎だ!」
魔天郎と列車が彼方に消えていく。
ヒロシたちの眼に光るものがある。
少年の日の訣れ・それは人を信じた証として何時までも記憶されるだろう。
さらば魔天郎、さようなら落合先生。
そして健やかに、ハード組の諸君!
(完)
2004/8/1 おもいっきり探偵団 覇悪怒組をたずねて