おもいっきり探偵団 覇悪怒組をたずねて
台本紹介

第49章
いざ、魔天郎王国へ(仮題)


竹早小・5年3組・落合教室

落合が黒板に「冬休み」と書いている。
ヒロシ、ヤスコ、サトル、ススム、タケオたちがみつめている。(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

落合「諸君! 明日から冬休みだ、1月10日の三学期の始業式まで2週間、勉強するもよし、遊ぶもよし、どちらにしろしっかりとやることだ。寒いからと云って炬燵でぬくぬくとしているような奴はろくなもんじゃないぞ、寒い時こそよく躰を動かし、頭脳を鋭く研ぎ澄まさせろ!なんちゃって、先生も本当は炬燵でぬくぬくしているのが好きなんだけどねさ」

ヤスコ「先生!すぐそう砕けちゃうから貫禄がなくなるのよ!」

落合「あっ、そうか、ウォッホン、先生は寒い冬が好きだ。冷い北風の中に身を置くと躰がさーっと緊張して、遙かなるものに挑戦しようと云う気持ちがぐーっと強くなるんだな、寒さの中で身をかがめるようにして夢を貯え、夢を育くむ、冬こそ諸君!躰の芯を嚇々と燃やし、夢をともせ!」

ススム「いいぞ先生!その調子!」

落合「うん、そうか、よし続けるぞ、先生は梅の花が好きだ!」

ヤスコ「私も好きです」

落合「ヤスコも好きか、梅の花はいいものな、梅の木は寒い冬の中で雨や雷にうたれながらもじーっと蕾をため、やがて来る春を待ち続けるんだ。先生が凄いなと思うのは梅の木は春が来ることを信じて疑わないことだ。必ず春が来ると信じているからこそどんな辛い冬でも耐えられるんだ。途中でヤケクソになって蕾を放り投げたりは決してしないってことだ・・・・・・・・・・・・・春が来ると待ち兼ねたように木一杯に可憐な花を咲かせるんだ。素晴らしいじゃないか・・・・・・・・・・諸君!先生は諸君に梅の木になって欲しいと思っているんだ」

タケオ「梅の木に?」

落合「そうだ、梅の木だ、春は必ず来ると信じてどんなに辛いことにも耐えられる精神を諸君に持って欲しいと云うことだ。諸君!先生は諸君が冬休みの間に一段と逞しくなることを心から祈っているぞ!」

ヒロシ「何だよ先生!まるで訣れの挨拶みたいな事云うじゃないかよ!」

落合「訣れの?! ・・・・・・・・・・・そ、そんな事はないぞ、先生は1月10日に一段と逞しくなった諸君の姿をみたいと思っているんだ。それでは諸君、しばしのさらばだ、ばさら、ばさら・・・・・・・・・・」

落合、手を振りつつでてゆく。

ヒロシ「(急に不安になって立ち上る)・・・・・・・・・・」

サトル「ヒロシ!どうした?」

ヒロシ「うっ・・・・・・・・・・・うん、何でもないよ・・・・・・・・・・・・」

同・校庭

ヒロシ、ヤスコ、サトル、ススム、タケオが歩いている。

サトル「ヒロシ、先刻からおかしいぞ」

ヒロシ「うん、変な気分なんだ。俺な、落合先生にはもう二度と会えないじゃないか、ってそんな気になっちまったんだ」

ススム「バ、バカ云えよ!」

タケオ「そうだよ、そんな事あるわけないじゃないか」

ヤスコ「考えすぎよ、そんなの・・・・・」

ヒロシ「そうだよな、俺の考えすぎだよな。どうだ、みんな、純子先生を誘ってさ、これからみんなで落合先生のアパートに押しかけないか、みんなで料理を作ってさ、一緒に飯を喰おうぜ!」

ススム「お、お別れパーティーかよ」

ヒロシ「バ、バカ!それは俺の考えすぎだと云ったろう。どうだみんな!」

ヤスコ「もち賛成よ!私、純子先生を誘ってくるわ!」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

ヤスコ、走り出している。

ヒロシ達と慌てたように走り出す。

肉を持って走るヒロシ。

野菜を持って走るススム

フランスパンを持って走るサトル

果物を持って走るタケオ

落合のアパート・外

ヒロシ、サトル、ススム、タケオが走って来る。

ヒロシ「みんな持ってきたな」

と、ヤスコと純子先生が買物袋を抱えて走って来る。

サトル「純子先生!来てくれたんですね」

純子「そりゃあくるわよ、落合先生は普段ロクな物を食べていないから栄養をバッチリつけさせてあげなくちゃ」

ススム「あっ、もう花嫁気分!」

純子「ススム君!おませなんだから」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

一同、和気藹々と落合のアパートに
?!・・・・・・・・・と佇む一同
ドアの前に張り紙がしてある。
「旅に出ますので暫く留守にします。落合」と記されている。

ヒロシ「旅行だってさ・・・・・・急すぎるよな」

ススム「折角みんなで来たのにさ」

サトル「みんなで上って料理作って食べちゃおうか」

ヤスコ「鍵がないわよ」

純子「(鍵をだして)鍵なら私が預かってるけど」

ススム「あっ内縁の妻!」

純子「こら、ススム!・・・・・・・・・・・・そんなんじゃないのよ。まさかの時の為に預かって欲しいと頼まれたのよ。火事とか地震とかあるでしょう」

ヤスコ「旅行に行くって聞いたんですか」

純子「聞いてはいたけど、発つのは明日だって云ってたのよ」

ヒロシ「純子先生!その鍵貸して下さい!」

純子「ヒロシ君!どうするつもりなの?」

ヒロシ「・・・・・・・・・・・落合先生が魔天郎か調べたいんです」

ヤスコ「ダメよヒロシ君、先生の留守の時に勝手に入り込んだら罪になるわ」

ヒロシ「そんなの知ってるさ、だけど、俺たちずーと落合先生が魔天郎じゃないって不安に思ってた。調べるのに絶好の機会じゃないか!」

ヒロシ、純子の手から鍵を取るとさーっと鍵穴に入れる。
あっとみつめる純子とヤスコたち。
ヒロシ、ドアを開ける。

純子「ヒロシ君!」

ヒロシ「純子先生だってそうだよ、落合先生が魔天郎だったらお嫁に行けないじゃないか!」

ヒロシ、室内に躍りこむ。

同・室内

ヒロシたちと純子先生が入ってくる。

ヒロシ「みんな、落合先生が魔天郎だったら何か証拠がある筈だ!みんなで手分けして捜してくれ!」

ヒロシたち緊張して家捜しを始める。
本棚の本を手に取って調べるヤスコとタケオ。流しの下を調べるススム。
トイレの中を調べるススム。
食器棚を調べるヒロシ。
純子は蒼ざてみつめている。
ススム、押入れを開ける。
汚れた衣服がどどうと落ちる。

ススム「ブウ!汚たねえの、落合先生全然せんたくしてねえんだな。純子先生!あんたの責任!」

純子「(泣きだしそうな顔で)・・・・・・・・・・・・」

ススム「あれ?!怒らないの?・・・・・・・・・・・何だよ純子先生、何も泣く事ないじゃないか。俺、ほんの冗談のつもりでさ」

純子「そうじゃないの、落合先生が魔天郎だったらどうしようかと思って」

サトル「その時は失恋だね、先生!」

純子「(泣き出す)・・・・・・・・・・」

ススム「サトル、意地悪な事云うなよ」

タケオ「そうだよ純子先生、落合先生は白だから安心しなよ!落合先生が魔天郎の筈があるもんか!」

サトル「魔天郎だったどうするんだよ」

タケオ「そしたら俺、悲しくて泣いちゃうよ」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

ヤスコ「私だってきっと泣いちゃうよ思う」

ヒロシ「やめだ、やめだ、何だよみんな、俺だって落合先生はどこまでいっても落合先生でいて欲しいんだ!何だよ、俺一人悪者みたいじゃないか!」

ススムが押入れの中で

ススム「おい!ヒロシ!これパソコンじゃないか!」

ヒロシ「何?!・・・・・・・・・・・」

フスマを開いて覗き込む一同
パソコンが置いてある

ヒロシ「パソコンだ!・・・・・・・・・・・落合先生にパソコンだなんて変だよな!」

ヒロシたち、パソコンを引っ張りだす。

サトル「使えるのか?」

ヒロシ「これは・・・・・・・・・・・これは凄え高価なパソコンだよ・・・・・・・・・・」

ヒロシ、コードTVに接続する。
ヒロシ、不安な顔で一同をみる。

サトル「ヒロシ、ここまで来たらひき下がれないぜ」

ヒロシ「ああ・・・・・・・・・・毒を喰わらば皿までだ」

ヒロシ、パソコンを操作する。
好奇と不安の眼で見守る一同
突如、ヒロシが第1話で作った魔天郎の絵がでてくる。


タケオ「ありゃあ、何だこれ?」

ヒロシ「これは俺がパソコンで作った魔天郎だ」

ヤスコ「落合先生、ヒロシ君のパソコンから魔天郎のイメージを盗んだのかしら」

純子「だったら落合先生が・・・・・・・・・・・・」

ヒロシ「こんなもの決定的な証拠にならないよ」

ヒロシ、尚も操作する。
と、画像が洋館が浮かび上る。

ススム「何だ?!・・・・・・・・・・・・・」

サトル「魔天郎のアジトかも知れないな」

タケオ「決めつけるなよ」

ヤスコ「場所は何処なの?」

ヒロシ、更に操作する。
洋館の周囲には地図が浮かび上る。

ヒロシ「○○町の郊外だ。ほら、鷹見台団地のずーと向うの方だ・・・・・・・・・」

ヤスコ「ヒロシ君・・・・・・・・・・・」

ヒロシ「ここに行ってみよう、ここに行けば落合先生が魔天郎かどうかが分る筈だ」

純子「ヒロシ君、私も一緒に行くわ、是非そうさせて!」

ヒロシ、きっぱりとうなづく。

ヒロシの家・ダイニングルーム

朝、広子がフワァーとあくびをしながら起きて来る。
?!・・・・・・・・・・・・・食卓をみる。
手紙が置いてある。

広子「(さあ! と眼を返し)あなた! パパ! お父さーん、起きて! ヒロシが大変なのよ!」

志郎がパジャマ姿で起きてくる。

志郎「何だい母さん、うるさいな、朝早くからガラガラ怒鳴るもんじゃないよ、ヒロシがどうしたの?」

広子「こ、こ、これ!」

志郎「今度はにわとりか、(と手紙を受けとり)何々どれどれ、(読む)お父さん、お母さん、僕たちハード組は魔天郎との最後の勝負にでかけます。純子先生も一緒です。男がこうと決心してやることです。お父さん、お母さんは何があっても心配しないで下さい。ヒロシ・・・・・・・・お前! 母さん!マ、ママ!」

広子「あなた、お父さん、パ、パパ! すぐに警察に110番を!」

志郎「ばやぼやするな!何をボケッとしているんだ、早く電話をしろ!待て!待て、待て!」

広子「な、何ですか!」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

志郎「で、で、電話だ!急げ!」

広子「は、は、はい!」

志郎「待て!電話はいけん!やめろ!」

広子「あなた!どっちなんですか!」

志郎「・・・・・・・・・・・オ、男が一端決心してでかけたんだ、ヒロシの好きなようにさせてやろうじゃないか、じゃないかと思う!」

広子「あなた!ヒロシが魔天郎に殺されたらどうするんですか!それでもいいんですか!」

志郎「よくない、よくない、それは困る・・・・・・・・・・然し、何があってもお父さん、お母さんは、心配してくれるなと書いてあるじゃないか!ママ、可愛いい子には旅をさせろだよ」

広子「旅にでたまま帰らなかったらどうするの!パパ、しっかりしてよ!お父さん、どうなの、お前!」

志郎「何?! ・・・・・・・・・・・」

10 同・玄関外

志郎と広子がでて来る。

志郎「男の子だ・・・・・・・・・」

広子「女の子に生んでおけばよかった!」

志郎「母さん・・・・・・・・・私たちはここでヒロシが、無事に帰ってくるのを祈ろうではないか・・・・・・・・・・」

広子「ええ・・・・・・・・あの子きっと一段と逞しくなって帰って来ますよね」

志郎「ああ・・・・・・・・・・」

志郎と広子、祈るように空をみつめる。

11 自転車で街を疾走する純子とヒロシ達

12 自転車で山道を疾走する純子とヒロシ達

13 魔天郎の洋館・外の空地

純子とヒロシ達が丘に身を伏せてジオラスコープで洋館をみている。
冷たい北風がビュウーンと通りすぎる。
ヒロシ、人の気配に振り返える。
内田重夫とパチンコ組がズラーと立って睨みつけている。

ヒロシ「パチンコ組だ!」

はっとして振り返る一同(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

重夫「ヒロシ、何か面白いことをやろうとしているようだな。俺たちも仲間に入れろ!」

ヒロシ「内田!悪いけど今日はお前たちの相手をしているヒマはないんだ」

重夫「何だと?!・・・・・・・・・・」

ヒロシ「内田、俺たちは今から魔天郎に最後の勝負を挑もうと思っているんだ。負ければ命がないかも知れない!だけど俺たちは大好きな落合先生の為に斗わなければならないんだ」

重夫「落合先生の為に?どう云うことだ」

ヒロシ「訳は今話せない!分かってくれ!内田」

重夫「・・・・・・・・・・分かった!行けよヒロシ!」

ヒロシ「内田!元気でな!」

ヒロシ、純子たちに合図をして身を低くして洋館の方に走る
ギラ、とヒロシたちを見送る重夫。

重夫「奴ら生命がけだぜ・・・・・・・・」

14 洋館の最上階

魔天郎が様々な器械に囲まれて、コンピュウターで塔の設計図の手直しをやっている。
ピピーっと警報ランプが点滅する。
うん?!・・・・・・・・・・・・・と魔天郎、別のボタンを押す。
と、TV画像に洋館の様子を伺う純子とヒロシ達の姿が浮かび上がる。

魔天郎「・・・・・・・・・・・」

魔天郎、様々なボタンをプッシュする。

15 洋館の外

ヒロシたち、入口に忍び寄る。
ヒロシ、そーと扉に手をかけて、ぐっと開けようとしてする、が開かない。

ヒロシ「ダメだ、鍵がかかっている!」

ススム「ヒロシ!俺に任せろ!」

ススム、背負った小リュックを降ろすと中から縄ばしごを取り出す。
ススム、トイ沿いにするするーっと壁を上ると屋根に飛び移る。

タケオ「ススムも忍術がうまくなったよな」

ススム、縄ばしごを窓枠に固定すると下に投げる。
ヤスコ、純子、サトル、タケオ、ヒロシの順で縄ばしごを上ってゆく。
と、家の陰から重夫たちが現れて?!
とヒロシたちを見上げる。

16 同・二階通路

純子とヒロシ達が窓を押しあけて次々と飛び降りる。

純子「何だか泥棒になった気分だわ」

ススム「もしかしたら魔天郎の奥さんになるかも知れないんだから、いい経験だよ」

ヤスコ「サトル君!」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

ヒロシたち、そーっと通路を歩む。
と、窓から除く重夫の顔。

17 同・魔天郎の部屋・外の通路

ヒロシたちがそーっと歩いてくる。
ドアに魔天郎カードデザイン

ヒロシ「・・・・・・・・・・・・やっぱり魔天郎のアジトだったんだな」

サトル「と云うことは、落合先生が魔天郎だったってことだ」

一同「・・・・・・・・・・・・・・」

タケオ「そんなことまだ分かるもんか」

ヒロシ「タケオの云う通りだ、落合先生がパソコンマニアで魔天郎のアジトを偶然知ったってこともあるからな」

ススム「ヒロシ、入るか」

ヒロシ「決ってるよ」

ヤスコ「待って、中に入ったら突然空中に放り投げられるかも知れないわ」

タケオ「前にそんな事あったよな」


*フラッシュ、イメージ
魔天郎のアジト
空中を浮遊するヒロシたち


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ススム「だけどあの時は楽しかったよな」

ヒロシ「今度もあの時と同じと云う具合にはいかないさ。みんな、気をつけろ!いいな」

一同「(うなづく)・・・・・・・・・・・・」

ヒロシ、ドアをそーと開ける。

18 同・変装道具部屋

純子とヒロシ達がそーっと入って来る。
ギョッとして立ちすくむ一同。
怒り仮面がギラーッと睨んでいる。

ススム「怒り仮面!!」

ヒロシたち慌てて逃げようとする。
と、突然、天井から千年婆アーがブラーンと落ちるように現れる。

タケオ「千年婆アーだ!」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

ケケケ・・・・・・・・・・と奇妙な声で笑う千年婆ア。
ギョッとして隅に逃げる一同。
と、そこに、水道橋博士の首。

サトル「水道橋博士だア・・・・・・・・・・・・・・」

と、別の棚に青白い光に照らされて魔術師テンオーの顔が現れる。

ヤスコ「魔術師テンオーよ!! でも何か変よ」

一同、室内をじーとみつめる。
眼が慣れて来るとそれら全てが変装用具であることが分かる。

ヒロシ「これはみんな変装道具だ、魔天郎はこれを作っていろんな人間に変装してたんだな・・・・・・・・・・・」

ススム「つけヒゲがあるぜ(とつけてみる)」

ヤスコ「メーキャップ道具もこんなに沢山」

純子がキャーッと悲鳴をあげる。

ぶら下がっていた千年婆アが天井に駆け上ると逆立ちする。

千年婆ア「あそんでおくれ!あそんでおくれ!」

悲鳴をあげて飛び出す純子。

タケオ「純子先生!悲鳴をあげちゃダメだ!どんなに怖くても悲鳴をあげなければ千年婆アは何もできないんだ!!」

ヒロシたち、ぐっと口を結ぶと千年婆アを睨みつける。

ヒロシ「お前なんて怖くないぞ!!正体をあらわせ魔天郎!」

千年婆ア宙を一回転すると外に飛び出す。
”待て!!”と外に飛び出すヒロシたち。

19 同・通路

純子がブルブル震えている。
ヒロシたちが飛びだして来る。
千年婆アの姿が消えている。

ヒロシ「逃げられたか・・・・・・・・・」

ヤスコ「純子先生!もう大丈夫よ」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

一同、前に進む。
と、奥に金色の魔天郎デザインの刻まれた扉がある。

ヒロシ「ここが魔天郎の部屋かも知れないぞ!!」

ヒロシ、意を決してドアを押しあける。

20 同・内部

純子とヒロシたちがそーと入って来る。

純子「ずい分いろんな機械があるのね、何に使うのかしら」

ヒロシ「魔天郎は科学者でもあるんです。この機械を使って異次元空間を自由自在に行き来しているんです」

タケオ「宇宙人かも知れないな、きっとそうだよ」

ススム「だったら落合先生も宇宙人と云う事になるのかな」

純子「ススム君、断定しちゃだめよ」

ヒロシ「魔天郎の奴何を企らんでいるかな。前に俺が捕った時、魔天郎の王国を作るんだと云ってたけどさ、何の事だかさっぱり分からないよ」

フフフハハハ・・・・・・・・・と魔天郎の哄笑
はっとして室内を見回すヒロシたち
テレビに浮かび上がる魔天郎の姿

魔天郎「ハード組の諸君!私は今私自身の壮大な夢を実現しようとしているんだ。いいか諸君 私は私の夢の実現を邪魔しようとする物は決して許さない!君たちは私の良きライバルとして充分私を楽しませてくれた。だがそれもこれまでだ!!君たちには私の邪魔ができないように遠い世界に消えてもらうぞ!」

ヒロシ「な、何?!・・・・・・・・・・・・・」

突然、機械から様々なボタンが点滅し始める。部屋がグラグラ動き始める。
フファーと空中に浮かぶ純子先生とヒロシたち

ヤスコ「空中浮遊装置よ!」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

ヒロシ「魔天郎!俺たちをどうするつもりだ!」

と、壁がパックリ割れて直径1m位のホールができる。
そのホールの中に猛スピードで吸い込まれてゆく純子とヒロシたち。

21 同・通路

重夫とパチンコ組が歩いてくる。
ウワーとヒロシたちの悲鳴。

重夫「ヒロシの悲鳴だ!!」

重夫、扉を開ける。
室内はまばゆいばかりの光の乱反射。
巨大なホールが眼前にある。

重夫「な、何だあれは!!」

重夫とパチンコ組、逃げようとする。
が、強力な吸引力に次々とホールの中に吸い込まれていく。

重夫「バ、バカな!!ブラックホールがこんな所にあるなんて!」

重夫、柱に必死に捕る。
が、物凄い力に引っ張られてウワーッと悲鳴をあげてホールに呑み込まれてゆく。

22 ヒロシの家・夫婦の寝室(夜)

志郎と広子がそれぞれ眠っている。
はっとして起き上がる広子。


広子「ヒロシ・・・・・・・・・・・パパ! 起きて!」

志郎「(起きて)ママ、どうしたの?」(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)

広子「ヒロシが真暗な穴の中に落ちてゆく夢をみたのよ」

志郎「何だって?!・・・・・・・・・・」

広子「助けてくれーって呼んでいるの。あなた、どうしたらいいのよ」

志郎「(不安に)・・・・・・・やはり明日警察に捜索願いをだそう・・・・・・」

23 ブラックホール

ヒロシたちと純子、そのずーと後に重夫とパチンコ組が猛スピードで流されてゆく。
(無断転載禁止 http://www003.upp.so-net.ne.jp/oresen/)
N「純子先生とヒロシたちハード組、そして内田重夫とパチンコ組は魔天郎によってブラックホールに呑み込まれてしまった。魔天郎の壮大な夢とは何なのか、そして魔天郎の正体は果たして落合先生なのであろうか!!」


−−−−−−つづく−−−−−−

2004/8/15 おもいっきり探偵団をたずねて